経営事項審査でステップアップを!

経営事項審査とは

公共工事を発注者から直接請け負うためには、「経営事項審査」が必要です。経営事項審査は、工事の請負代金が500万円以上(建築一式工事は1500万円以上)のものであり、国、地方公共団体、公共法人などから直接発注を受けるために必要となります。経営事項審査では、「経営状況」「経営規模」「技術力」について数値化することで評価します。
今回は、「経営事項審査」を受けるメリットや流れを解説します。「難しそうだし時間がかかりそうだから」と諦めていた方、ぜひこの記事を最後までご覧いただき、経審を受けることを前向きに考えていただけたらと思います。

経営事項審査(経審)を受けるメリット

経営事項審査を受けるには申請手続きや費用がかかりますが、メリットは十分にあります。

①自社の存在・実績が示せる

公共工事の競争入札へ参加すると、参加登録した業者は一般公開され、誰でも情報を見ることができます。そのため、公共工事だけでなく民間工事などを受注するチャンスが広がるのです。また、民間事業者の中には「経審を受けていること」や一定以上の点数を得ていることが条件となる場合もあるため、経審をとっておくことのメリットとなるでしょう。

②自社の経営状況を客観的に把握できる

自社が抱える問題や課題を把握し、解決することは企業としての成長に欠かせません。しかし、実際に自社の経営状況を評価することは難しいため、手が回っていない企業が多くあります。ですが、経審を受けることで公正な審査・評価を受けることができるため、自社の状況を客観的な数値で把握することができるようになります。

③公共工事への入札

このメリットが、経審を受ける最大のメリットと言えます。国や自治体が発注する工事は、経審によって認められたところでなければ受けられません。
安定的かつ長期的な受注を受けられるだけでなく、貸倒れなどのリスクがないことから、安心して受注することができます。
なお、経審を持った上で公共工事を受けることで、実績としてはかなり大きなものを得ることができます。

経営事項審査を受けるには

経審を受けるためには、「経営状況分析」と「経営規模等評価」を受けて申請手続きを行います。
必要書類はしっかりと決まっているほか、経営分析を受けてから経営規模評価を申請しないといけないなど、順番が明確に決まっているため、注意しましょう。

経審の進め方

1.決算報告書作成

各事業所ごとに定められた決算日によって財務諸表を作成します。なお、決算日を基準として1年7ヶ月が経審の有効期間となることも覚えておきましょう。

2.事業年度終了届の提出

決算書をもとにして、事業年度終了届を提出します。

3.経営状況分析の申請手続き

経営状況分析を行う機関に、必要な書類(財務諸表などや減価償却実施額を確認できる書類、建設業許可通知書)などを添えて、経営分析申請書を提出しましょう。
※初めて提出する場合には、3期分の財務諸表が必要となります。

4.経営規模等評価の申請手続き

経営状況分析の結果通知が届いたら、経営規模等評価の手続きを行います。
この手続きに必要な書類は以下のとおりです。

①経営規模等評価申請書・総合評定値請求書
②工事種類別完成工事高/工事種類別元請完成工事高
③その他の審査項目
④技術職員名簿
⑤経営状況分析結果通知書(原本)
⑥外国子会社並びに建設業者及び外国子会社についての数値の認定書(原本)
⑦委任状
⑧審査手数料印紙貼付書
※⑥は該当する場合、⑦は代理申請の場合のみ必要です。
こういった書類については、業者によって違いがありますので、国土交通省や都道府県に問い合わせていただくか、お近くの行政書士に相談してみましょう。

5.総合評定値通知書の取得

「経営状況分析」と「経営規模等評価」の結果をまとめたものが、総合評定地となり、一般公開されます。

経審の総合評価について
経審は、「総合評点P」で表されます。なお、総合評点の計算式は次のとおりです。

総合評点P=0.25(X1)+0.15(X2)+0.2(Y)+0.25(Z)+0.15(W)

この計算式にある()の項目は、以下のことが示されています。
X1:完成工事高評点
X2:経営規模評点
Y:経営状況評点
Z:技術力評点
W:その他の審査項目評点
この計算式の結果によって、5段階のランクがつけられ、それによって入札できる工事が変わります。また、この結果は一般に公表されるため、民間業者はこの結果をある程度のラインで審査基準としています。

経営事項審査(経審)取得のご相談は当事務所まで
今回は、経営事項審査に関しての解説でした。メリットや流れはご理解いただけたと思いますが、詳しい準備の仕方や提出に関しては、なかなか時間がかかったり難しいところがあります。
当事務所は50年以上にわたり経験豊富な行政書士がご相談をお受けしています。ぜひお気軽にお問合せください。

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